能動的な学びをつくる授業

現在、携わっている就労者に対する授業で、能動的な学びの重要性を実感しています。

能動的な学びを常に意識しながら、授業をしていますが、これは学習者からのアクションがなければ、実現できません。

就労現場でこんなことがあったけど、うまく日本語で対応できなかったから、授業で練習してほしい。

職場の日本人と話していて、よく耳にする表現。前に勉強したけど、使い方が多くて、わからなくなる。もう一度、授業で習って、使えるようになりたい。

会議でわからなかった言葉を全てメモしてきたから、使い方を教えてほしい。

これらは実際に学習者の口から出た言葉で、言われてすぐに、または次の授業で教えるようにしました。

当然、取り組みは非常によかったです。

では、どうしたら、このような言葉を引き出せるのか、考えてみました。

もちろん、学習者の日本語学習に対する意欲がいちばん大切ですが、何を質問してもいい、失敗した経験を話してもいい、今のレベルより易しいレベルの質問をしてもいいと思える授業の雰囲気を教師が作ることも大切だと思います。

また、就労者の場合は、どんな環境でどんな仕事をしているか、今、何に悩んでいるか、今の自分に足りないことは何か、学習項目に絡めて、できるだけ思いを聞くようにしています。

学習者自らに振り返らせる機会を与えることが能動的な学びにつながっていくと思います。

そして、教師が学習者のおかれている環境を理解しようと努力する姿勢が、学習者が相談しやすい雰囲気を作り上げていくのではないかと思います。

留学生教育の場合は、しっかりとカリキュラムが組まれていることが多いので、学習者の要望通りに授業内容を変更するのは難しいこともあります。

それでも、できる範囲で学習者の要望を取り入れていくことが大切だと思います。

学習者は教師がどのように対応するか、よく見ているものだからです。

学習者が何も言わないイコール授業に満足していると断定することはできないと経験上、思います。

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