渡鬼と橋田壽賀子の日本語

『渡る世間は鬼ばかり』に今更ながらハマっています。

藤岡琢也演じる初代大吉が出演しているシリーズを見ています。

昔、違うシリーズを見ていたことがあるのですが、自分が年を取ったせいか、登場人物に対する見方が変わりました。

ただただ「ひどい‥」と思って見ていた赤木春恵演じるキミや京唄子演じる常子に対して、いいところもあるよな、大変だよなと感じるようになってきました。

登場人物の多いドラマですが、人物造形がすばらしいので、とにかく引き込まれます。

そして、橋田壽賀子の脚本といえば、その丁寧な言葉遣いが特徴的で有名です。

ドラマの中によく出てくる「こしらえる」「〜てさしあげる」「〜ほかない」などの表現の美しさが印象に残ります。

特に、「〜てさしあげる」はともすれば押しつけがましく聞こえるので、代わりに謙譲語を使用することを学生には勧めたりしていますが、ドラマの中ではきれいに使われていて感動しました。

今どき家族で敬語は使わないという声もありますが、ドラマで使用される美しい敬語表現の数々を聞いていると、こんな言葉遣いができたらいいなと思わされます。

ところで、多彩な登場人物の中でお気に入りの人物がいます。

藤岡琢也演じる大吉です。

頼りになるし、優しいし、茶目っ気があってかわいいし、表情が豊かで見ていて飽きません。

私も大吉の娘になりたくなります。

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