日本語教師と想像力

日本語教師は想像力の必要な仕事です。

学生の非文を学生の表現したい内容に合う自然な日本語に直すとき。

学生の作文をその学生になって書いているつもりで直していくとき。

そして、学生の質問に答えるとき。

学生は日本語で質問してきますが、適切な語彙がわからず、質問の意図がわからないことがあります。

先日、漢字の授業をしているとき、ある学生から質問が出ました。

「犯人が住んでいるところは?」

テキストの語彙から学生が思いついた質問でしたが、私はすぐには答えられず、もう少し説明してくれるよう頼みましたが、学生もこれ以外は浮かんできませんでした。

少ししてから、「あっ、刑務所!」と言って、板書してみたところ、学生の求めていた答えでした。

日本人なら、「犯罪を犯した者が刑罰を受けるところは?」と質問できると思いますが、学生は、まだこのような難しい語彙を勉強していないので、自分の知っている語彙で質問してきたのです。

答えがわかると、学生の質問文はすごいなと改めて思いました。

「刑務所」に、「住んでいるところ」を使うと不自然なので、質問の意図がわかるまで、考えてしまいましたが、即答できなかった自分を反省しました。

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