「この歌を聞くたびに、彼女のことを思い出す。」
「〜たびに」は、「〜するときはいつも」という意味の文型です。
意味がわかりやすいので、スムーズに導入ができます。
導入後、機能を確認してから、この文型とよく一緒に使う前件、後件の文を提示し、部分作成をさせます。
部分作成もあまり頭を悩ますことなく、学生から文が出てきます。
もちろん細かいミスは出るので、直していきます。
ところが、最後に、全文作成をさせると、不自然な文が出てきます。
例えば、「ひとりでうちにいるたびに、寂しいです。」
この文は「たびに」を使わず、「とき」を使えば、自然な文になります。
学生にもそのようにフィードバックをします。
また、「寂しいたびに、国の家族のことを思い出します。」
この文も「とき」を使うのが自然だし、「たびに」の前は、動詞の辞書形と名詞しか入らないことを再確認します。
習ったばかりの文型を使って、文作成をするのは難しいものです。
教師は、その文型の機能を生かして、自然な文が出てくるように、導いていかなければなりません。
文のねじれは、どの文型を教えても、学生から出てきますが、他の文型を使ったほうが自然な文が出やすい新出文型は要注意です。
「たびに」のような文型は、できるだけ全文作成をさせて、しっかりフィードバックをしたほうがいいと思います。