今の時期、日本語能力試験を受験する外国人学習者は、必死に試験勉強に励んでいます。
特に、来春、卒業を控えた日本語学校の留学生は、専門学校などへの進学の準備と受験をしながら、同時に試験勉強もしなければなりません。
今年は新型コロナウィルスの影響で、毎年7月に行われる日本語能力試験が中止になってしまったので、尚更、大変です。
日本語能力試験以外の試験もありますが、いちばん知られている試験は日本語能力試験であり、その結果が重視されることを彼らはよく知っているからです。
日本語学校は日本語能力試験の目標レベル別にクラスが編成されており、授業では、そのレベルの勉強をしていますが、多国籍の大人数クラスということもあり、必ずしも全員が同じレベルを受験するわけではありません。
クラスの目標レベルより、上のレベルを受験する学生もいます。
そのような学生は、休み時間などに受験級の勉強をしており、まだ授業で勉強していない文法の機能を質問してくるなど、その真剣さが伝わってきます。
とはいえ、日本人が敬遠しがちなキツいアルバイトをしながら、毎日、4時間、日本語を勉強する留学生の生活。
授業中、時には、疲れが隠し切れなかったり、ぼーっとしてしまったりすることもあります。
教師としては、気持ちはわかるものの、声をかけ続け、授業に集中させなければなりませんし、集中できる授業を組み立てる努力をしなければなりません。
1日4コマ、授業をしていると、彼らの真剣な姿、疲れている姿、弱気な発言など、さまざまな表情を見ることになります。
そして、疲れていても、自由度の高い会話練習などをすると、とたんに生き生きとしてペアワークを始め、おもしろい文を作って発表し、皆で笑い合う姿。
一緒に笑ったり、突っ込みを入れたりしながら、やっぱり若い彼らの笑顔を見るのがいちばん好きだなと思います。
それはその笑顔の裏にある大変さを見てきているからでしょう。
留学生教育にはずっとずっと携わり続けていきたいです。