スピーチ原稿の添削法と教師の学び 2020年9月1日

今、2ヶ所の企業で、スピーチ大会を控えており、スピーチ原稿の添削に追われています。

ただ、時期が時期なので、小規模で行われる予定です。
いずれも学習者は外国人介護職員です。

スピーチ原稿の理想の添削方法は気づき添削だと思います。

学習者の原稿をいきなり教師が直すのではなく、表記、助詞、活用形、接続詞、語彙などのミスに印をつけて返却し、まず学習者自身に直させる。
意味の通らない文、不自然な文などは、文全体を違う文に直させる。

これを気づき添削と言います。

会話練習時も、同じように学習者自身で自分のミスを直させるように誘導しますが、会話は文字として残らないので、同じミスを繰り返してしまいがちです。

自分で書いた文章をじっくり直すことは、学習者自身が自分の癖や弱点、現状のレベルに気づくこともでき、非常に有効なフィードバックとなります。

また、外国人学習者が間違えやすいミスを知ることや、不自然に感じる語彙の使い方や文を分析し、正しい使い方に直すことなどを通して、教師自身も勉強になります。

以上の理由で、スピーチの原稿はもちろん、作文や小論文も、スケジュールの関係で時間に余裕がないときを除いて、私はなるべく気づき添削をするようにしています。

もちろん、学習者が指摘されたミスを全て正確に直せるわけではないので、再提出した原稿を教師がじっくり直す作業が必要となります。

それにしても、作文やスピーチ原稿の添削は楽な仕事ではありませんが、その内容に深く感動したり、考えさせられたりすることが多々あります。

教師は学習者のほんの一面しかわからないといつも感じていますが、書かれた内容を読んでみると、このようなことを考えていたのかと驚かされることが多いです。

特に、今回は、私も少し事情のわかる介護職についての思いや、経験を書いている学習者が多かったので、私自身が非常に勉強になり、強く胸に響きました。

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