文法を教える際、機能によって、全文作成、部分作成などをさせて、理解を確認します。
全文作成は特に中級以上は難易度が高いです。練習の最後に取り入れることが多いです。
自分で自由に文を作るのは楽しいもの。
中には自分の経験を話したくなる文型もあります。
例えば、「〜に限って」
松任谷由美の歌に、
「今日に限って、安いサンダルを履いて
た」
という歌詞がありますが、その卓越した表現力と「〜に限って」の使い方に、
教師になってから気づかされ、感動しました。
歌詞は語彙や文型の機能を把握するヒントになることが多々あります。
話は戻りますが、「〜に限って」
急いでいるときに限って‥
お金がないときに限って‥
など、思わず自分の経験を語りたくなる
文型です。他の学生の文を聞くのも楽しいです。
このような文型は学生に全文作成をして、発表させる機会を必ず与えるようにしています。
ディスコースにしても役に立ちます。
ひとつ気をつけなければならないのは、
自由度の高い文型でも、後悔したこと、失敗したことなどを気持ちを込めて話す機能を持つものです。
自分のそのような経験を人前で話したくない学生も中にはいます。
このような時は、自分の経験でもいいし、嘘の話でもいいですよと言ってから発表させると、学生も気持ちが楽になります。
嘘の話を作った学生は、「例えば‥」と言ってから、文を発表してくれます。
全文作成をさせる文型の選択は慎重に
しなければなりません。
けれど、リスクを避けて、せっかく自由に楽しく文を作る活動を制限してしまうのはもったいないです。
文型の機能をしっかり分析し、教師自らまず自分でいろいろ文を作ってみる。
その上で、文作成の練習方法を考える
ことが大切だと思います。