二本目の虫歯の治療が終わりました。
今回も麻酔を念入りに打っていただき、痛みは感じませんでした。
けれど、治療中のドリル音の激しさに驚き、麻酔が効いていなかったら、どのぐらい痛いのだろうかと想像してしまい、恐怖に怯えてしまいました。
いけない、何か違うことを考えなければ!と、思い出したのが『銀魂』のドラマ、『幾つになっても歯医者はイヤ篇』でした。
実写版の『銀魂』が大好きです。
舞台は江戸時代ですが、江戸と現代の文化が混じり合い、宇宙人も共存している摩訶不思議な世界の話です。
住みたくてたまりません。
治療中に歯医者篇が頭に浮かんでしまい、笑いをこらえつつ、「あのドラマの歯医者じゃなくて本当によかった。ちゃんとした治療が受けられて幸せだ。」と自分を励まし続けました。
以前、東京で日本語教師をしていた頃、企業レッスン講師の面接を受けました。
学校ではなく、講師を派遣している会社でした。
経営者の男性に面接をしていただき、主に、経歴について聞かれました。
面接が終わり、では、結果はご連絡しますと言った後、その方がふと「趣味は何ですか?」と尋ねてきました。
日本語教師の面接で趣味を聞かれることは少ないのですが、いつもは無難に「読書です。」などと答えています。
ところが、そのとき私の口から出たのは「プロレス鑑賞です。」
経営者は「ほー、プロレス。あまり見たことないんだけど、どうして好きなの?どこがおもしろいの?」と驚きつつも、興味津々で質問してきました。
私は熱く熱くプロレスの魅力を語ってしまいました。
そして、最後に、「体調が悪いとき、ちゃんと授業ができるかなと不安になります。でも、そんなときは『大丈夫。プロレスラーは怪我をしていても、そこを攻撃され、痛みに耐えなければならない。でも、日本語教師は学生にドロップキックをされることはない。』と自分を励ますことができるんです!」と話しました。
すると、その方は「‥。面接より、プロレスの話を聞いて、あなたのことがよくわかった気がする。」と笑いながら、言いました。
なぜこのとき、プロレスの話をしてしまったか考えると、当時、慢性的な首の痛みに悩まされていて、特につらいときは
いつもプロレスラーの姿を思い出し、自分を鼓舞していたからだと思います。
印象的な面接でしたが、結局、時間帯などが合わず、この会社で働くことはありませんでした。
その後、結婚して和歌山に引っ越したのですが、ある日、経営者から電話がかかってきました。
仕事について聞かれましたが、今、和歌山にいると答えると、さほど残念そうな様子もなく、
「ところで、今でもプロレス見てるの?」と嬉しそうに質問され、互いに笑ってしまいました。
印象に残っていたのでしょう。
型通りの質問をするより、その人の趣味について突っ込んで聞くと、「素」が垣間見えるのかもしれません。
以上、治療中の私の頭の中の話でした。