学生の国籍比率に対する配慮 2020年7月10日

ここ数年、日本語学校などの留学生クラスは、様々な国から来た学生たちが和気藹々と仲良く学ぶ姿が見られるようになってきました。

とはいえ、学校によって学生の国籍傾向は異なるので、1人だけ違う国の学生が入るというクラスもあります。

教師としては、1人だけ、または、少数派の国籍の学生に対する配慮は欠かせません。

私が日本で留学生クラスを教え始めた頃、圧倒的に多かったのは韓国人です。

その後、韓国の留学生が減少し、中国人が急激に増えました。

続いて、ベトナムの留学生がジワジワと増え始め、多数を占めるようになりました。

このような状況の中、過去に、大人数の留学生クラスで、1人だけ国籍が違う学生がいるクラスを担当した経験が何回かあります。

「日本」という異国の地で、緊張感とストレスを抱えて生活している留学生にとって、日本語のクラスは仲間がたくさんいるリラックスができる空間でもあります。

そのため、ついつい母語でおしゃべりが出てしまうことがあるのですが、「1人だけ国籍が違う学生」にとっては非常に苦痛です。
楽しいはずのクラスで疎外感と苛立ちを覚えることになります。

まだ経験が浅かった頃は、その学生の苛立ちに気づきつつも、注意するタイミングが遅くなり、当事者の学生が「日本語で話してください!」と声をあげるといったことがありました。

すかさず、「その通り!私と〇〇さんはわかりませんよ!」と厳しく注意しましたが、これは教師として本当に反省させられました。

クラスメイトに注意するのは勇気がいるし、嫌な気分になるものです。

学生が注意する前に、教師が注意しなければなりません。

注意された学生たちに悪気はないので、その後はたいてい母語のおしゃべりはなくなります。

また、これは国籍の問題だけではありません。
授業中、おしゃべりが多くなってしまったとき、真面目な学生が同国の学生に注意するという場面も生じることがあります。

やはり注意する学生は嫌な気分になります。

教師は「授業を進めること」がもちろん大切なのですが、常に学生の様子や態度に目を光らせ、学生に学生を注意させる場面を作らないようにしなければならないと思います。

明らかに冗談で注意しているときは別ですが、本気で苛立ちを見せているときです。

最近は先に注意することができるようになりましたが、このような場面を作ってしまった場合、私は注意してくれた学生に後で謝るようにしています。

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