学生からの要望をどう活かすか 2020年7月28日

日本語学校で教えていると、授業中、学生から様々な要望が出ます。
特に、中級以上のクラスに多いです。

「メインテキストを変えてほしい」

「習った文型を使って話す練習がしたい」

「敬語の会話練習をしたい」

「友達同士の会話練習をしたい」

「聴解の授業で日本のドラマを見たい」

「日本の新聞記事を読みたい」

等々、他にもいろいろな要望を聞いてきました。

個人的な要望ではなく、大半の学生が同じ気持ちであることが伝わってきた場合、その理由を詳しく聞きます。

そして、なるほどと納得させられたときは、できる範囲で学生の要望を取り入れるようにしています。

メインテキストや文法のテキストは学校側が指定している場合が多いです。
もちろん、学校側は常に見直しを図りつつ、学生に最適だと思われる教材を選択します。

中級以上の聴解、会話、小論文などの科目については担任が決めることもありますが、科目担当の教師に任されることも多いです。あくまで私の経験ですが。

留学生の国籍が漢字圏から非漢字圏主流に変化していった時代、学生たちから「中級のメインテキストが難しいから、変えてほしい。」という声が上がりました。

私も同じ思いを抱いていました。
レベルに合わないテキストを使用すると、学生のモチベーションが下がり、あまり効果は得られません。

学校側に掛け合い、次の学期からテキストを変更させてもらいました。

このように、テキストを変更したり、授業内容を学生の要望に応じて一部、変えたりすることは時々、ありますが、ひとつ重要なことがあります。 

それは、学生の要望に応えて変更したことをしっかり伝え、だから、きちんと取り組むようにと話すことです。

大抵の場合、学生の取り組みはよくなりますが、稀に取り組みが悪い場合は、

「取り組まないなら、このやり方はやめます。」ときっぱり話し、再度、考えさせるようにします。

企業レッスンも同じです。
レッスンによっては、企業側でカリキュラムが全て決まっている場合、一部決まっている場合もありますが、学習者から要望が出たら、企業と相談して、一部変更することもあります。

授業について学生から要望が出ることは非常にいいことだと思います。
受け身ではなく、能動的に学ぼうとする意思表示だからです。

それに全て応じられるかどうかはともかくとして、教師がじっくりその要望と理由を聞いて、臨機応変に対応していくことは、学生と教師の信頼関係を築いていく上で大切な姿勢だと思います。

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