介護職の魅力 2020年7月4日

「人は生まれた瞬間から死に向かって歩き始める」という言葉を聞いたことがありますが、最近、よく自分の行く末について考えます。

介護施設でアルバイトをしている影響も大きいと思います。

年を取れば、誰でも体が思うように動かなくなります。思考力も衰えます。
認知症を発症することも多いです。

認知症と聞くと、何だか怖いというイメージがあるのではないかと思います。
私も以前はそうでした。

介護職員初任者研修で認知症について学んだことで、理解が深まりましたが、それ以前は知識のないまま、介護補助として利用者さんに接していました。

最初は戸惑いましたが、他の介護職員の接し方を真似ているうちに、慣れてきました。

一口に認知症といっても、様々な症状がありますし、程度も違います。

認知症ではないと思っていた方が、実は軽度の認知症だと聞かされ、驚いたこともあります。

ふだん口数の少ない方や、現実と乖離した世界に生きていると思われる方が、ふとしたときにご自身の幼少時代やご家族の話、仕事の話などを明晰に話し出されることもあります。

その方の人生で宝物のように大切な方のお話、経験、反対に辛い経験を語られることが多いです。

心に深く刻み込まれた体験を人は忘れることはないのでしょう。

思いがけず聞かされた話は私の胸にも深く響き、いろいろと考えさせられます。

ただ、介護職員としては、利用者さんのありのままを受け入れること。
否定せず、意見を言わず、共感すること。それに尽きるのではないかと思います。まだまだ半人前ですが。

「若いわね。いいわね。働けるうちが華よ。」

度々、利用者さんに言われる言葉です。

最近、身体がしんどいな、もう年だなと弱気になったとき、この言葉が脳裏に浮かびます。

今を大切に、精一杯生きなさい。
うれしいことも、悲しいことも、苦しいことも、全て人生の糧になるから。

そう言われているような気がして、励まされ、心が温かくなります。

介護施設で働くことで、利用者さんから多くのことを学ばせてもらっています。

そして、明るくて、率直で、ときに厳しいダメ出しもされるけれど、根っこが本当に優しい同僚たちと働けることも、私の癒しになっています。

介護の日本語を教えることにならなければ、関わることはなかった世界だと思うと、不思議であり、また、関われたことに感謝したいです。

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