ニーズ調査で導入 2020年6月13日

直接、相手の表情を見て話すことができない「電話対応」は外国人にとってはハードルが高いものです。

日本人でも、職場での電話対応は緊張感を伴うと思います。聞き返すこともあるでしょう。

では、どのような練習を行えばいいのでしょうか。

一つ例を挙げます。外国人介護職員の場合です。

今までいわゆるビジネス日本語のテキストなどで、丁寧な電話対応の練習をしたことがありますが、介護職員にそのまま使用することはできません。

話す相手、内容が異なるからです。

このような場合はニーズ調査をしてから練習に入ります。

現場でどのような立場の人と電話で話すのか、聞き出し、板書していきます。

相談員、看護師、ケアマネ、厨房職員、リハビリ職員、利用者さんのご家族‥たくさん出てきます。

次に、どのような内容の電話をかけたり、受けたりするのか、具体的に聞き出し、板書していきます。

これらは非常に大切です。

私も介護施設でバイトをしていますが、施設の規模、種類によって、話す相手や内容も違いますし、施設により、使用される専門用語も違ったりするからです。

ここまでいろいろ聞きだすと、学生の頭の中は電話対応の練習をする準備ができてきます。

練習の仕方もいろいろあります。

教師が電話相手になりきり、学生とロールプレイを行う。

電話は顔が見えないので、学生に背中を向けて練習したほうがいいです。

他のやり方としては、学生に話す相手と内容を考えて書かせ、書いた紙を回収し、違う学生が書いた紙を教師が見ながら、ロールプレイを行う。

また、いちばん効果的なのは施設の職員にお願いして、実際に電話をかけてもらい、その内容を教師が横で聞き、フィードバックを行う方法だと思います。

教師相手だと、学生はやはりリラックスして話せるからです。

このような練習の仕方は介護職員対象の授業だけでなく、一般企業のレッスンやプライベートレッスンなどでも、もちろん可能です。

ニーズ調査は通常、日本語の授業がスタートする前に行うものですが、活動の導入として場面に合わせて再度行うと、テキストがなくても、リアルな練習ができると思います。

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