いい意味?悪い意味?それとも、ケースバイケース? 2020年7月21日

語彙には、明らかに「いい意味」で使用する機能、「悪い意味」で使用する機能を持つものもありますが、どちらにも使える機能を持つものもたくさんあります。

例えば、「プライド」。

「あの人、プライドが高いから。」というと、悪い意味で使われますが、「彼は仕事にプライドを持って、取り組んでいる。」というと、悪い意味には聞こえません。

「あんなことを言われて、なぜ黙っているの?プライドがないの⁈」というと、また違う機能になります。

もうひとつ、例を挙げると、「おまえ」。

基本的にはぞんざいな印象を受ける語彙ですが、友人や彼女、妻、子どもなどに対して、冗談っぽく「おまえ〜‥」と言うと、親密な関係であることが伝わってきます。

語彙の意味は多岐に渡っていることが多く、その代表的な使い方に引きずられがちですが、学生に教えるときは、どんな場面で誰と誰が話しているか、提示した上で、使い分けと機能をしっかり教えなければなりません。

もちろん、どこまで教えるかは学生のレベルにより異なりますが、限定的な意味のみ教えると、誤った認識を招くおそれがあります。

教師は、説明が簡単そうに見える語彙も、辞書を引いて丁寧に確認することが大切だと思います。

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