「説明」から入らない思考回路を養う 2020年4月19日

教案を作成するときはもちろん、予期せぬ質問をされたとき、まず説明しなければ!と思うと、うまくいかないことが
多い気がします。

先日、授業で類義語について質問を受けました。
授業ではN 3文法をメインに教えていて、語彙は自習にしているクラスです。
語彙については全く準備をしていませんでした。

質問は「終了」と「完了」の違い。

まず、「終了」の例文と場面を思い浮かべてみました。

テスト→はい、終了です。

この例文を出しました。
そして、反対語を考えさせました。
「開始」です。

ここまで共有すると、学生は意味がほぼわかります。そして、私の頭も整理が
つき、意味を簡潔に教えることができます。

次に「完了」。
あまり身近な語彙ではありません。
そこで、反対語を思い浮かべ、学生に
問いかけてみました。

答えは「未完了」。
学生から正解は出ませんでしたが、提示すると、漢字の「未」の意味から想像ができたようです。
私の頭も整理がついたので、最後に意味を教え、さらに例文を出しました。

これはひとつの例で、切り口は語彙に
よって違います。

文法も同じです。
準備していなかった文法や類似文型に
ついて質問されたら、まず典型的な例文を思い浮かべ、提示し、学生と共有します。
さらに例文を提示していくうちに、教師の頭の中が整理されてきて、「正解」が
見えてきます。

もちろん、経験が浅いときは「正解」がわからず、例文をいくつも出し、説明したものの、自分も学生も納得がいかず、宿題にしてもらったこともあります。

ただ、大切なのは質問されたとき、すぐあきらめずに例文を思い浮かべ、その場で分析し、わかりやすく提示しようと
努力してみることだと思います。

教師自らが考えなければ、「日本語教師の思考回路」を養うことが難しくなってしまうと思います。

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