「ブラジルコーヒー、ください。」2020年6月25日

大学生の頃、東京のターミナル駅構内にあった立ち飲みのコーヒーショップでアルバイトをしたことがあります。

朝の通勤ラッシュ時は言うまでもなく、常に混雑していて、スピーディーな対応が求められました。
お客様の回転もとても速かったです。

ある日、私がレジにいたとき、外国人のお客様が明るく大きな声で「ブラジルコーヒー、ください!」と注文してきました。

メニューにないので、困惑していると、すぐに後ろから優秀なアルバイト店員が、「ブレンドコーヒーを出せばいい。」と言ってきたので、それに従いました。

お客様のニーズを考えると、スピードがいちばん求められる仕事だったので、正しいアドバイスだったと思います。

でも、私はずっと気になってしまいました。
出しているコーヒー豆の産地を知らなかったし、「ブラジルコーヒー」と言ったお客様の求めているコーヒーが何なのか、知りたかったからです。

仕事には必要なスキルがあり、その求められるスキルは仕事により異なるものです。

今、考えると、スピード第一の仕事には私は向いていなかったのかなと思いますが、今やっている仕事には生かせているかもしれないと思いました。

介護の仕事は、メニューにない「ブラジルコーヒー」を利用者さんに頼まれ、それがどんなものなのか、何を求めているのか、聞き出していく仕事だと思います。

日本語教師もある意味、同じだと思います。
外国人の話す「日本語」の真意を根気よく探り、通じる日本語に直していく作業が常に求められます。

もちろん、介護職も、日本語教師も、スピード感が求められる場面もありますが、基本は、

「根気よく相手の話を聞き、理解しようと努力する。」

このような姿勢ではないだろうかと思います。

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