視覚と聴覚を鍛える 2019年12月28日

日本語教師は視覚と聴覚を鍛える努力をしたほうがいいと常々思っています。

視覚はいちばん大切です。

学生一人ひとりの表情をよく観察しながら、授業を進めなければなりません。

集中しているか、違うことをしていないか、体調が悪そうな様子を見せていないか、こっそり携帯をいじっていないか、
教師の説明が理解できているか‥。

教壇から観察するだけではなく、書かせる作業をしている時など、教壇を離れ、教室の後ろから俯瞰してみたりすると、
学生一人ひとりの様子がよくわかるようになってきます。

また、学生は後ろめたいことをする前に、チラッと教師の顔を見ることが多いので、その目の動きも見逃さないようにします。

そして、授業内容や、教師の教え方に不満があるとき。

それは表情に出ることが多いです。
面と向かって教師に不満を言う学生は、日本人と同じく稀です。

聴覚ももちろん大切です。

例えば、日本語の発音。
教師は学生の癖のある発音に慣れていくものですが、「教師にだけ通じる発音」は意味がありません。
わざと理解できないふりをして、再度言わせるなど、発音に意識を向けさせます。

また、学生の母語が聞こえてきたとき。その際、関係ないことを話しているのか、授業の内容がよく理解できず、他の学生に質問しているのか、見極め、対応しなければなりません。

これは学生の母語がわからなくても、
自然に読み取れるようになってきます。

視覚と聴覚。

授業中以外、私はあまり気に留めていないので、道で知人に会っても気づかなかったり、電車に乗っているとき、大切な
アナウンスを聞き逃したりします。

つまり、授業中、教師が意識して努力をしなければ、磨いていくことは難しいのではないかと感じています。

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