私の国に遊びに来てください 2020年1月21日

学生が帰国する前、または授業中、
日本語教師なら、この言葉を何回も言われたことがあるでしょう。

実際、帰国した学生に会ってきた、
帰国した学生の結婚式に呼ばれて出席したなどの話を度々、他の先生から耳にします。

でも、私は一度も経験がありません。

海外旅行をする機会が少ないこともありますが、実際に会いに行ったら、学生は
たとえ仕事で忙しかろうと、至れり尽くせりのお世話をしてくれることが想像でき、それが申し訳ないと思ってしまうからです。

特に、アジアの学生の懐の広さ、優しさには日頃から驚かされるものがあるので、容易に想像がつきます。

けれど、年を取るにつれ、だんだん考えが変わってきました。

老後の夢が特にないのが小さな悩みでしたが、年を取ったら、学生の国に行き、成長した学生たちに会いに行きたいなと思うようになってきました。

そんなことを考えるようになった
この頃。

先日、外国人介護職に日本の年金制度、医療保険制度などについて教えているとき、制度の説明とともに、制度に対する日本人の抱える将来的な不安を話していたところ、

「先生、年を取ったら、私たちの国に住んでください。物価が安いから生活できますよ。
先生の介護もしますから。‥お金は払ってくださいね。」と言われ、びっくりして、皆で笑いました。

「私の介護をするのは嫌でしょう?」と
返す私に、

「大丈夫です!」と笑顔で答える学生。

「‥私はちょっと‥。」

学生に介護をされる自分の姿を想像して
しまいました。

もちろん冗談半分だと思いますが、
こんな言葉がさらりと出てくる彼らの
ことが本当に好きだなあ、幸せな仕事を
しているなと温かい気持ちになりました。

他者に対する優しさ。

外国人から学び続けている気がします。

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