外国人就労者に日本語を教える際、彼らが遭遇するであろう場面に合わせて、
ディスコースやロールプレイをよく行います。
学習者はすでに日本企業で働いているので、ある程度の日本語力、対応力はあります。
でも、イレギュラーな反応にはどう答えていいか、わからずに日本語が出てこないことが多いです。
そこを鍛えるために、学習者同士で練習させた後、私が日本人役になり、ディスコースやロールプレイをよく行います。
その際、いろいろなタイプの日本人を
演じるようにしています。
ものすごく腰の低い人、早口でまくしたてる人、自分の要求を次々と言ってくる人‥。
たいていの学生は反応に困り、黙ってしまったり、相槌しか出てこないことも
多いですが、時には苦し紛れの日本語が飛び出し、言った本人も含め、皆で大笑いをすることもあります。
その後で、改めて全体に「どう答えたらいいと思う?」と問いかけ、一緒に考えていきます。
このような練習は自身が会社員だった頃、取引先との対応などで苦慮した経験を生かして行っています。
日本語のテキストには普通、あまり出てきませんが、実際には起こり得ること。
教科書通りの練習だけでは自習でも可能です。
授業では「生きた日本語」を常に意識して教えていくことが大切だと思っています。