「ウチ」と「ソト」の概念を学生に
教えることがあります。
ウチとは、自分の家族、親戚、同じ学校・会社の人などを指します。
日本語の敬語も、この概念と関係があります。
社内では上司に敬語を使用しますが、
社外の人間と話すときは自社の人間に
敬語は使用しません。
ウチの人間だからです。
例えば、社長宛の電話が来た場合、
「田中は今、席を外しております。」と言います。「田中社長は‥」とは言いません。これを相対敬語と言います。
日本人はウチの人間には気を遣い、優しくするけど、ソトの人間には冷たい。
以前、このような文章を読んだことがあり、一理あるなと思っていました。
けれど、だんだん変わってきているように感じています。
台風の被災者に対する災害ボランティアの数の多さ。
東日本大震災の時も、複数の知人が、
被災地までボランティアをしに行ったという話をサラリとしていました。
ボランティアに対する日本人の認識が
私が子どもの頃と比べると、かなり変わってきていると思います。
SNSの普及により、より詳細な情報が
得られるようになったことが、大変な
状況にある人々を助けようという動きに
繋がっている気もします。
人は知らないことには無関心なものだからです。
日本の学校に通う外国由来の児童・生徒が抱える問題が大きく取り上げられるようになったのも、真実を知る方々が情報発信を続けてきたおかげだと思います。
そう考えると、負の側面もありますが、
SNSの果たしている役割は重要なのだなと改めて感じました。