昔、担任をしていた留学生クラスの飲み会で、学生が披露してくれた笑い話です。
私の言葉に直して書きます。
「電車の中で、ある日本人男性と外国人男性が口論になった。
2人は次の駅で降りて、素手で喧嘩を
して、決着をつけることになった。
駅に着き、電車を降りて、ホームで
にらみ合う2人。
外国人男性が先に挑発した。
『いらっしゃいませ。』」
この話を聞いて、皆で爆笑しました。
もちろん、実話ではないでしょう。
この笑い話のすごいところは、言語の
持つ特質を捉えているところです。
日本人に限らず、人は皆、場面や、話す相手との関係性によって、友達言葉、
丁寧な言葉などを使い分けます。
丁寧に話すべき場面で友達言葉を使ったり、友達言葉が自然な場面で丁寧な言葉を使ったりすると、違和感が生じます。
また、丁寧に話すべき場面でも、丁寧すぎると不自然になることもあります。
例えば、「わたくし」という表現。
教えるとき、「『わたし』の丁寧な言い方です。」で済ませると、多用する学生が出る可能性があります。
「わたくし」はビジネスでも、
使用される場面や相手が限定されます。
それををしっかり教えるのが日本語教師の役割です。