韓国にいた頃、ノンネイティブの韓国人の先生方と一緒に働いていました。
韓国の日本語学校では、韓国人の教師がゼロレベルの学生に対し、韓国語を使用しながら、3ヶ月で初級を教え、その後、日本人の教師が初級の「て形」からコミュニケーション重視の授業を行っていました。
中級以上はネイティブの日本語教師が
直接法で授業を行っていました。
当時いたノンネイティブの日本語教師は
日本語が本当に堪能で、教師としての
キャリアも長い。そして、人間的にも魅力に溢れた方ばかりで大好きでした。
そのノンネイティブの先生の授業を
見学させていただいたことがあります。
頭の回転が速く、いつもおもしろい
冗談を言って、笑わせてくれる先生でした。
授業は圧巻でした。
母語の解説を挟みながら、テンポよく学生に次々と日本語を発話させていきます。ドリル練習のお手本のようでした。
そして、学生をこまめに褒めたり、冗談を言って笑わせたり。
韓国語のわからない私も授業に引き込まれました。
見学したとき、私はまだ経験が浅く、
とにかくすごいなという印象を持ったことを覚えていますが、今考えると、
間接法のお手本のような授業を見せてもらったのだと気づかされました。
母語を使用した間接法は実はすごく難しい教授法です。
どうしても母語使用が多くなり、学習言語の発話練習が疎かになりがちで、
学習者も母語に頼ってしまう傾向が見られるからです。
韓国語と日本語が、互いに学びやすい
言語であるのは確かですが、それにしても当時のノンネイティブの先生方のレベルは高かったと思います。
一緒に働きながら、新人教師だった私は
多くのことを学ばせてもらっていたことに改めて気がつき、感謝の気持ちでいっぱいです。