東日本大震災について、授業で触れるようにしています。
地震に関する読解文を読むとき、地震に関連する語彙を教えるとき、また、文型の例文として提示するときなど。
今年の3月11日は授業がありました。8年前の震災のことを、若い学習者はあまり知りません。
津波、原発事故、震災がもたらした甚大な被害、
そして現状。
学習者はこの話題のとき、皆、真剣に聞き入ります。
今、長野県に住んでいても、大きな地震が起こる可能性はあること、また、日本語学校の大半の留学生は卒業後、
全国に進学していくので、将来、海の近くに住むかもしれないこと。これらを踏まえ、地震への備えを教えます。
日本と同様、地震、津波の被害の多い国から来た学生には、経験を話してもらうこともあります。
ちょうど門田隆将の『死の淵を見た男』を読んだばかりだったので、本の内容にも少し触れました。
地震発生後、原発内部で、自らの危険を顧みず、暗闇の中、絶望に見舞われながら、必死に格闘し続けた現場の方々、作業に加わった自衛隊の方々。
あの日、テレビで流し続けられていた原発の内部で、
何が起こっていたのか。この本を読んで、知ることが
できました。
この本は人間の愚かさとともに、危機に直面したときの
人間の持つ凄みを教えてくれました。
これからも、日本語の授業を通して、学生にこの震災の
ことを伝え続けていこうと思っています。