英会話スクールの文型導入の思い出 2019年10月2日

昔、英会話を習っていたとき、大好きな
ネイティブの先生がいました。
授業がとにかく楽しかったです。

ある日の授業。
私が映画好きなことを知っている先生は
授業の冒頭で、香港映画の話を私に
振ってきました。

先生も香港映画が好きでした。
先生の質問に喜んで答える私。
2人の会話を微笑みながら聞いているクラスメート。仲のいいクラスでした。

すると、先生は「一緒に映画を見に行かない?」と言い出しました。

えっ?と思い、真剣に、どうしようかな‥と考えているうちに、先生は文型導入に繋げて、あっという間に、授業に入りました。
「人を誘う」文型がその日の学習項目だったのです。

クラスの中で、私は導入に使いやすい学生だったようで、度々、同じ経験をしました。

もちろん、他の学生や、全体に話題を振って、会話をしてから、授業に入ることもありました。

おしゃべりを楽しんでいるうちに、その日の学習項目に繋がっている。
スムーズに学習項目に入れました。

後に、日本語教師養成講座でこの導入形式を学び、そういうことだったのか!
あの先生はうまかったのだなと気づきました。

こんな経験もあります。

新人のネイティブの先生の授業で、
冒頭、いきなり「ダーウィンの法則」についてどう思うか?と一人ひとりに意見を聞き始めました。

私には全く興味のない話題で、しかも、
ダーウィンの法則についての英語の説明もありませんでした。
他の学生も興味がなさそうでした。
単に、先生自身が興味があり、話題にしたがっていることが伝わりました。

私の番が来たとき、そっけなく「よく知らない。」と答えました。

先生は私に力説してきましたが、白けた気分になりました。
クラスのレベルと話題も合っていなかったと思います。

皆が興味がないにもかかわらず、先生は
ずっとダーウィンの法則についての話題に終始して、その日の授業は終わりました。

その後も同じような授業スタイルでした。

これらの経験は教師になってから、
非常に役に立ちました。

導入の際は多くの学生が興味を持つであろう話題で導入すること。

教師の興味のある話題に固執しないこと。

学生の反応を見て、乗ってこないと思ったら、臨機応変に違う話題を提供すること。

そうしないと、教師の自己満足で終わってしまいます。

常に学生をよく観察し、学生の話を聞いていれば、導入にふさわしい話題は予測できるようになります。

また、ひとつではなく、他の話題も考えておくと、学生の反応をうまく引き出せなかったときに、切り替えができます。

養成講座では、教案に、導入時に教師がする質問だけでなく、予測される学生の答えも全て書くように習い、ずっとそうしてきました。さすがに今は書かなくなりましたが。

これは有効な手段であると思います。
学生の答えが思いつかなければ、違う場面にしたほうがいいと気づけるからです。

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