相手の心情に寄り添う表現の練習方法 2019年5月11日

会話はキャッチボール。
相手の話を聞きながら、適切な表現を返していくことで、キャッチボールが続き、互いの距離が縮まり、関係が深くなります。

でも、これが外国語となると、ハードルが高いです。
学生に、短い会話文を自由に作成させても、
相手の話を聞いて、
「そうですか。」「それは大変ですね。」ぐらいしか
出てこないことが多いです。レベルにもよりますが。

「それはよかったですね。」「それは楽しみですね。」
「そんなことがあったんですか。」
「そんなこと言わないでください。」
「いい思い出ですね。」「うらやましいです。」
「ご苦労されたんですね。」

「すごいですね。」「さすがですね。」も使いますが、
これらは多用しすぎると、相手の気分を害するおそれが
あるので、その点も確認しつつ、教えなければなりません。

また、せっかく的を射た表現を使っても、感情がこもって
いなければ、相手の心には響きません。

では、これらの表現を実際に使えるようになるには、どのような練習が効果的なのでしょうか。

ひとつ例を挙げます。

表現を一通り紹介した後で、講師が架空の経験談を話す→学生がその経験談に合う表現で返す。ここで、不自然な表現が出てきたら、皆で考え、適切な表現に直す。

次に、学生をペアにして、ひとりの学生に使う表現を
指示する→もう一人の学生に、その表現が自然に出てくる
経験談を創作して言わせる。これもその経験談が表現に
合うかどうか、他の学生とともに考え、フィードバックをしていく。

大人数クラスだとちょっと難しいかもしれませんが、
10人くらいまでならできる活動だと思います。

他にも、効果的な練習方法はいろいろあると思います。

他国も同じかもしれませんが、外国人の誤った日本語の
使用を直すことをためらう日本人が多いので、
授業でしっかりフォローしていくことが大切だと感じて
います。

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