韓国にいたとき、時折、日本を懐かしく思い出すことがありました。
筆不精の母から届いた手紙を読んでいるとき。
几帳面な父から定期的に届く業務連絡の
ような手紙を読んでいるとき。
私宛の郵便物、なぜかダイレクトメールまでわざわざ同封してあり、手紙の最後に、「以上、◯通。父より。」と書いて
ありました。
そして、友達からの心温まる手紙。
懐かしい思い出です。
学生が日本にいて、思い出すのも家族の
ことです。
昔に比べ、連絡は取りやすくなったものの、なかなか一時帰国はできません。
お金もかかるし、アルバイトも休まなければならないし、学校の許可も取らなければなりません。
日本語学校では通常、授業のない長期休暇のみ、一時帰国の申請を許可します。
2年間、一時帰国をしない学生もたくさんいます。
学生の家族が重い病気にかかったり、
亡くなったりすることもあります。
そのような話を聞かされたときは胸が
潰れそうになります。
話を聞いて、寄り添うことしかできません。
異国で、頑張ってほしい。
学生の家族の思いをふとした時に、
ひしひしと感じることも多いです。
特に、日本に来て最初に入る日本語学校の生活は、学生にとっては試練の日々です。
教職員はある意味、彼らの親代わり。
生活面も含め、相談に乗り、指導し、
見守っていかなければなりません。
そして、母国の物価水準から考えると、大金を払って学んでいる彼らに、
しっかりと日本語教育をしなければなりません。
それは学生のためだけでなく、学生の家族のためでもあると思います。