母語訳つきのテキストは学生にとっても
教師にとっても、助けになります。
語彙、文法など、母語訳つきのテキストはたくさん出版されていますし、授業でも使用します。
ただ、気をつけなければならないのは
100%、日本語と意味が合致しているとは限らないということです。
特に、語彙の機能を授業で教えているときに、何回も「先生、訳の意味と違います。」と言われたことがあります。
母語には全く同じ意味の語彙がない。
日本語では類義語になる2つの語彙が、母語訳では同じ意味で載っている。
このようなケースがあります。
これは言語の特質を考えると、当然、
生じることだと思います。
英語を習っているとき、
「英英辞典を引きなさい。」と言われた
意味がわかります。
日本語教師も、上級の学生に対して、
なるべく国語辞典を引くようアドバイス
します。
語彙訳があるからと安心せずに、しっかり意味と使用例を理解させることが大切です。
学生は何より教師の言葉を信じますから。