それは「ありがとう。」
介護施設のアルバイトをしていると、
たくさんの「ありがとう。」という言葉をもらいます。
お茶を出したとき、下げるとき。
食事を出したとき、下げるとき。
洗濯した衣類を居室に届けたとき。
ポータブルトイレを洗浄するとき。
デイサービスから帰ってきた利用者さんに上履きを用意したとき。
認知症の程度にかかわらず、また、話すことが大変な利用者さんでも、皆さん、
心のこもった「ありがとう。」という
言葉をかけてくれます。
ときに、消え入りそうな声で。
利用者さんは施設にお金を払っている
「お客様」です。
サービスを受けるのは当然の権利。
それなのに、毎回、「ありがとう。」と言ってくれるのは本当に心に染みます。
日本語の授業でも、授業が終わったとき、学生は起立、礼、「ありがとうございました。」と挨拶をします。
学校で考えても、学生は学校にお金を払って授業を受けているので、ある意味、「お客様」です。
いまだに照れくさい気持ちになります。
今までいろいろな仕事を経験してきましたが、「ありがとう。」という言葉が
直接、聞こえない裏方の仕事もありました。
そう考えると、たくさんの「ありがとう。」がもらえる今の仕事は、とても
ありがたく、だからこそ、頑張れるのだと改めて感じました。