日本語能力試験(1)級と言わない理由 2019年9月30日

日本語能力試験は広く知られるように
なってきました。
N 1からN 5まで5レベルあります。

1級、2級などと表記されているのを見かけることもあります。この表記が間違いであるとは思いません。

ただ、日本語教育の現場では、このような言い方は通常、しません。N 1、N 2‥という表現を使います。

なぜかというと、級と呼ぶと、旧試験を
思い出すからです。

日本語能力試験は2010年度から現在のN 1からN 5の全5レベルに改定されました。

それ以前は1級から4級までの4レベルで、現在のN 3レベルがありませんでした。
そのため、初級終了レベルの旧3級と旧 2級のレベル差が大きかったです。

新試験になり、旧試験の 2級と3級の間のレベル、N 3が新しく設定されました。

新試験移行時は、現場は試験対策の授業などをするのに大変でしたが、現在の
レベル設定は妥当だと感じています。

また、改定により、得点は全て点数等化による尺度点で出されるようになり、
各得点区分の基準点も設定されました。

N 1、N 2は旧1級、 2級とほぼ同じレベルですが、N 1に関しては、旧1級よりやや
高めのレベルまで測れるようになりました。

ちなみに、旧試験を実施していた際、
販売されていた過去問題集は改定後、
販売されなくなりました。
ただ、現在は各レベルの試験対策問題集が非常に充実しています。

このような経緯があるので、通常、日本語教師は「◯級」という言い方をしないのだと思います。

タイトルとURLをコピーしました