もう10年ほど前になりますが、TOEICを受けてみたことがあります。
TOEIC はリスニング(約45分間・100問)、リーディング(75分間・100問)、合計約2時間で200問に答えるマークシート方式のテストです。
試験日の3ヶ月前ぐらいから、問題集などを買って、試験対策の勉強を始めました。
中学校から始まった英語教育。当時は日本人の先生に間接法で英語を習っていました。
大学受験の前には、詰め込み式で単語や、構文を塾で叩き込まれました。
大学に入ってからはネイティブの英語教師に直接法で会話を習ったり、また、会社員時代は英会話スクールにも通ったりしていました。
英会話のレッスンは楽しかったです。なかなか上達はしませんでしたが。
けれど、TOEICの勉強は苦行でした。
問題集の他に、任天堂のDSでゲーム感覚で勉強して
いました。
結果は目標のスコアよりはよかったので、
達成感はありましたが。
当時、思ったこと。
日本語能力試験対策として、文字・語彙、文法、読解、
聴解を授業で教えてきましたが、学生が「大変。難しい…。」とぼやく気持ちがよく理解できたこと。
また、私は中学校から英語を勉強し始めましたが、もっと後になってから日本語を勉強し始めた学生が多いです。
大学に入ってから、成人してから習い始める学生たち。
日本語学習歴も浅いです。
それで、日本語能力試験に臨むわけですから、本当に大変だと思います。
語彙や文法は一度習ったからといって、すぐに定着するわけではありません。何度も何度も繰り返し学び、定着していきます。
日本語能力試験の存在は知っている日本人が増えてきていますが、何割取れれば合格か、ご存知でしょうか。
受けるレベルによって違いますが、例えば、難関と言って
いいN2は5割取れれば合格です。得点等化を行っているので、単純には言えませんが。
つまり「N2合格」といっても、どちらかというとN3レベルに近い人もたくさんいるわけです。
そして、自身もTOEICを受けて実感しましたが、
結果=運用力ではないということ。
例えば、関係代名詞を使用した文。
日本語教育では初級のN5レベルです。
文で言うと、
「京都で撮った写真を見せてください。」
英語で考えてみても、難しさがわかります。意味が分かったとしても、実際に適切な場面で話せるでしょうか。
技能実習生などの受け入れで、日本語能力試験が取りざたされていますが、実際の問題を見てみていただきたい、そして、それを英語に置き換えて考えていただければ、より理解が深まると思います。