7月7日に行われる能力試験に向けて、試験対策の授業に奮闘中の日本語教師が多いかと思います。
中でも何度教えても、難しいと感じるのが文法です。
私も今、N3対策、N2対策を別々の所で教えています。
一つの文型に使える時間はカリキュラムにより異なりますが、大抵、
試験対策は駆け足になります。
膨大な数の文法を教える必要があるからです。
対策授業で大切なのは、基本的な機能の理解に時間を取ること、文型の前に入る品詞の形をしっかり提示すること、文末制限を教えること。
文作成練習は、その文型を使用した典型的な文を練習すること、
共起する品詞が限定されている場合は全て板書した上で、それらを使用した文作成をさせること。
類似文型は学生のレベルに合わせて、どこまで突っ込んで教えるか、事前に練っておくこと。
何回となく教えてきた文型でも、
思わぬ鋭い質問が飛んでくることも
あります。
非文の訂正と、なぜ非文かの説明に時間がかかることもあります。
限られた時間で、応用練習まで考えていても、そこまでいかずに終わることもありますが、学生が腑に落ちないまま、教案通りに進めようとするのは教師の自己満足に過ぎません。
基本をしっかり押さえることが
いちばん大切です。
また、口頭で文作成ができていても、書かせると、細かいミスが出たり、文のねじれがあったりするので、文型を使用した文を書かせる
ことも大切です。
教師向けの文法解説書は何冊もありますが、見比べてみると、定義などが微妙に異なることもあるので、
自分で納得できる機能の説明を
考えなければなりません。
私も毎回、振り返りをしていますが、本当に勉強になります。
文法は完璧に教えられます!と、
言い切れる日は来ないだろうなと
感じていますが、それだからこそ
教えるのがおもしろいです。