子どもの頃、文通が流行っていました。
当時、全盛を誇った「りぼん」「なかよし」の漫画の下に、文通希望の女の子の短いコメントと、名前と住所が掲載されていました。
文通や、交換日記が大好きだった私はせっせと手紙を書き、ポストに投函しに行きました。
ところが…待てど暮らせど、返事が来ないのです。
しびれを切らした私は「自分が雑誌に載ってやる!」と思い、実行しました。
結果、何と「なかよし」に掲載されました。
「かわいいモルモット飼ってるわ。動物好きな人と。」という文面で。
小5のときでした。びっくりしました。そして、文体が変えられていたこと、「動物好きな人と」なんて、書かなかったのになと、違和感を覚えました。
その後、ポストを開けると、手紙の山が!
1日、10通くらい届くようになりました。全国各地の同世代の女の子から合計100通くらい届いたと思います。
これは…返事が来ないわけだと深く納得しました。
初めに届いた人から返事を書き始め、次第に対応できなくなりました。
最終的に長く続いたのは4人くらい。気が合うなと感じた女の子たちです。
東北に住む私と同じ名前の明るくおてんばな女の子。
少し年上の大人びた文章を書く素敵な女の子。
何かの病気で長期入院していて、そこから手紙をくれる女の子。
返事を出さなかった私に、「なぜ返事をくれないの?」と再度、手紙が届き、そこから文通が始まった女の子。
自然消滅してしまいましたが、ふと今頃どこで何をしているのかなと
思い出すことがあります。
いろいろな悩みを打ち明け合い、
アドバイスし合ったのを覚えています。
大切で宝物のような思い出です。