授業中の母語のおしゃべり 2019年2月28日

学校教育でも教師が頭を悩ますところだと思われますが、日本語学校の留学生クラスでも生じる問題です。

大人数クラスだと、どうしても母語でのおしゃべりが出やすくなります。

最近は多国籍化が進み、母語でのおしゃべりが減りつつありますが、反面、英語が堪能なアジア圏の学生が増えてきて、違う国の学生同士、英語でおしゃべりをする姿も見られます。

もちろん、母語でのおしゃべりは注意します。
何を話しているのか、質問することもあります。
「日本語で話してください。何の話ですか。」と。

たいていそこで私語はやみますが、中には明るく堂々と、
「アルバイトについて話しました。」などと答える学生もいます。

悪気は感じられないので、皆で笑ってしまうのですが、
「休み時間に話しましょう。」と注意します。

日本語教師は英語や、中国語など、外国語が堪能な方が多いです。
でも、大人数の留学生クラスでは「わからないふり」をする教師がほとんどです。
教師が自国の母語に精通していることを知らず、
おしゃべりをするという、学生にとっては「恐ろしい現象」が生じているのです。

また、学生の母語に精通していなくても、よく使用される表現は教師は理解しています。

新人の頃、学生がぼそっとつぶやいた母語。
「他の先生に聞こう。」
文法の機能の説明が不十分で、学生に質問され、必死に
考えて、答えた後でした。

「ああ、聞き取れなければよかった。」と、その時は思いましたが、今は感謝しています。

また、母語の意味がわからなくても、授業内容について理解できず、他の学生に母語で質問しているときなどは、
表情から読み取れるので、フォローすることができます。

「単なる母語でのおしゃべり」なのか、「授業に関する
母語使用」なのか、教師は見極める必要がありますが、
これは経験とともに、自然にわかるようになります。

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