テレビで新成人のニュースが流れると、遠い昔の自分のことを思い出します。
当時、大学生だった私は、将来、どんな仕事をしたいか、どんな人生を送りたいか、全くわかりませんでした。
海外や、外国人に興味はありましたが、それと仕事を結びつけるという発想もなく、「日本語教師」という職業の存在すら知りませんでした。
就職活動が始まっても、自分が何をしたいのか、どんな適性があるのかわからず、悩んだあげく、事務職に就きました。
会社の近くにあった「日本語教師養成講座」という看板を見て、興味を抱きましたが、実際に通い始めるまで1年、悩みました。
通うからには、絶対、プロになりたいと思ったからです。
そして、働きながら通える夜間、週末のコースがあったにもかかわらず、退路を断つため、会社を辞め、養成講座に通い始めました。25歳のときです。
自分のことを振り返ると、二十歳で自分の進路をしっかり見定めている人を見ると、すごいなと思います。
日本語教師はスタート時期の幅の広いお仕事です。
大卒(大学で日本語教育を学んだ方)、私のように数年、社会経験のある方、子育てが一段落してから資格を取り、教え始めた方、定年後、資格を取り、教え始めた方。
いろいろな方を見てきました。
教師は様々なタイプがいたほうが学習者のためになるので、とてもいいことだと思います。
大卒の方の新鮮さ、子育ての経験者による包容力、社会経験の豊富な方の落ち着き、どれも魅力的です。
スタート時が何歳であれ、それまでの経験は必ず仕事に生きます。
但し、「日本語教師としては0からのスタートである」という謙虚な姿勢は大切だと思います。
また、新卒の先生は「社会経験のなさ」を補うための何らかの努力をしたほうがいいと思います。日本事情として、日本の会社について、教える機会があるからです。