その文型は本当に書き言葉なのか 2019年7月10日

中級以上になると、書き言葉やニュース、スピーチなどで使用する硬い文型が
多くなってきます。

例えば、N2レベルの「〜につき」。
「雨天につき、試合は延期いたします。」

お知らせ、掲示などで使用される文型
です。
「理由」が前件に入りますが、個人的なことに使うと、不自然です。

では、同じく逆接の「〜つつ」はどうか。

「〜ながら」より硬い文型です。
日常会話では使わないでしょうか。

使うと思います。

例えば、
「やろうと思いつつ、なかなかできなくて‥。」
「悪いと知りつつ、つい‥。」

共起する語彙が限定されてきますが、
授業で教えて、自分のことで文作成を
させることもあります。

授業で教える際、日常会話で使うのか、
共起する品詞や語彙が限定されるのか。
または、日常会話で使うと不自然なのか。しっかり提示しなければなりません。

時折、「この文型を使って話したら、会話で使わないと日本人に言われた。」と
学生に言われることがあります。

独学で勉強してきた学生や、国で能力試験対策に特化した授業のみを受けてきた学生に多く見られる傾向です。

以前も、合格級イコール運用力とは限らない場合が多いと書きましたが、実例を挙げてみました。

学生はせっかく勉強した文型を使いたい。けれど、いつ使えばいいのか、教師が教えなければ、適切に使用するのは
なかなか難しいものです。

そのため、日本語学校では、入学時にN3以上持っている学生が初級クラスから
じっくり勉強を始めることは珍しくはないのです。

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