日本語教師は「音声学」の勉強をしなければなりません。
では、その知識を授業でどう生かすのか。
日本人が「R」の発音が苦手なように、国により、
また個々の学生により、苦手な「音」は違います。
今まで、いちばん直してきたのは「しゃ・じゃ行」です。
「しゃ・じゃ行」が「さ・ざ行」になってしまうのです。
逆のパターンもあります。
発音指導の方法としては、ホワイトボードに舌の位置の
違いを書く、教師が自分の舌の位置を学生に見せて、
真似をさせるなど、いろいろあります。
経験上、いちばん効果的だと感じる練習法は、
「しゃ」の音を出すため、「し・や」と2拍で言わせ、
それをだんだん速く言わせて、「しゃ」の音を出させる
やり方です。「しゃ、しゅ、しょ、じゃ、じゅ、じょ」
も同様に2拍から練習していきます。
ただ、単音がうまく言えるようになっても、単語になると、元に戻ってしまいがちです。
単音、単語、織り交ぜながら、繰り返し練習することが
大切です。
発音がきれいだと日本語が上手に聞こえます。
逆に日本語力があっても、発音が悪いと、下手に聞こえます。
また、教師は学生の発音が気になったとき、発音の悪い学生だけでなく、全ての学生に発音指導をするようにすると、その学生の発音コンプレックスを軽減できますし、
他の学生にも改めて「正しい発音」を意識づけすることが
できると思います。