今更ながら、ドラマ「ごくせん」シリーズにはまり、
時に、涙しながら、見ています。
教師として、はっとさせられるヤンクミのセリフがたくさんあります。本質を突いているなと感じます。
見るたび、思い出すのは中高時代のバレー部のコーチです。それはそれは厳しかったです。そういう時代でした。
私たちバレー部員は怖がりつつも、たくましく向き合っていました。
練習中、ハプニングが生じ、笑いが起こると怒られました。「練習で笑うやつは試合で泣く。」と。
強いチームに負けたときはそれほど怒られませんでしたが、明らかに自分たちより弱いチームに負けたときは、
練習試合でも物凄く怒られました。
いつも厳しい表情を崩さず、笑顔はめったに見せませんでした。でも、私はコーチが大好きでした。態度には出しませんでしたが。
当時は、レシーバーのレギュラーポジション「リベロ」がない時代。背が低く、オーバーパスも下手で、ピンチレシーバーしかできなかった私。
指導者はレギュラーメンバーの指導に熱を入れるのは当然のこと。けれど、「レシーブだけは誰にも負けたくない」
という強い思いで練習していた私に、コーチは時々、個人指導をしてくれました。「おまえはオーバーパスは練習しなくていい。アンダーパスだけ練習しろ。」と言われました。
試合にピンチレシーバーとして出してくれることも多かったです。強い相手にぼろ負けしているとき、競り合っていて、流れを変えたいとき。途中から急に試合に出るのは
とても緊張します。
試合でも、練習試合でも、いいレシーブができたときは、
必ず褒めてくれました。うれしかったです。
実は、数年前、ふと思い立って、コーチに会いに母校に行ってきました。突然行ったのですが、会うことができ、30分ぐらい話すことができました。約30年ぶりでした。
厳しくしすぎて悪かった、でも、あんなに厳しくしたのに、誰もバレーを嫌いにならなかったのが不思議なんだと
コーチは言いました。
それはコーチがバレーを本当に愛しているのが伝わってきたからですよと私は答えました。
私の考える「教師のあるべき姿」のモデルはコーチなんだとその時、気づきました。厳しいけれど、誰に対しても、平等に接する。たとえ、レギュラーでも、手を抜くと容赦なく怒る。私のようなピンチレシーバーでも、頑張っていれば、熱心に指導してくれる。できそうで、できないことだと深く感謝しています。
「おまえは根性はあったけど、頑固だったなあ。」と、
つぶやいていた、当時とは違う穏やかな笑顔が目に焼きついています。