can doから考える中級文型導入 2018年12月14日

中級以上になると、教師は文型分析に、より時間をかけなければなりません。慣れないうちは、プレッシャーも感じると思います。

けれど、導入は初級と同じです。「学生がその文型を使って、何ができるようになるか。」を思考し、学生がその文型で発話できる場面、予想される例文をたくさん考え、
学生の頭をその世界に染めてから、例文を提示していきます。

例えば、N3文型の「~てはじめて」話すときもよく使いますね。定義は「それがきっかけで、初めて、自分の気持ちに変化が生じた。」後件に、「わかった」「知った」
「わかるようになった」などがよく使われます。

日本語学校の留学生の立場で考えてみます。まだ若く、初めて親元を離れ、異国での生活を送る学生が多いです。
親の大切さ、外国生活、一人暮らし、日本のアルバイトの大変さを初めて実感した学生が多いはずです。そこに頭を染め上げていきます。

例えば…日本の生活で大変だと思うことは?一人暮らしはどうですか?アルバイトはどうですか?など、いろいろな質問を投げかけ、学生に考えさせ、自由に発言させます。その後で、導入文を提示します。

文型によっては、ニュースでよく使用される文型、書き言葉でよく使用される文型、客観的な描写でよく使用される文型、限定した語彙しか使用しない文型など、必ずしも学生の経験から引き出せない文型もありますが、基本は、
学生の立場に立って、わかりやすい、同調しやすい場面設定をすることが大切です。

「~てはじめて」の場合は、自身の経験談で話せるので、最後にミニスピーチをさせてもいいと思います。

文型分析はレベルを問わず、大切。けれど、日本語の授業は講義ではないし、直接法が基本です。
「学生の立場に自らを置く」視点が大切になると思います。

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