日本語学校の進度の速い初級クラスの教え方について書きます。
学生は予習をしっかりしてきて、理解も早い。積極的、意欲的に取り組む。ある意味、教えやすいです。
打てば響くので、教師の発話、説明がついつい増えてしまいがち。そこをぐっと堪えて、語彙の説明などをなるべく学生にさせるようにします。
授業をしていると、学生はどんどん質問してきます。その話題に関連した語彙や表現を知りたいのです。その時は、学生の役に立つと思われる語彙や表現は広げていきます。
また、質問がなくても、教師から提示し、言わせたりします。
例えば、携帯電話の話題。学生がよく利用するface book、インスタグラム(インスタ)、googleなど、日本語の発音の仕方が正確にわかりません。それを言わせてから、カタカナ語を板書します。また、アイフォン利用者が多いですが、学生は「アップルの携帯」とよく言うので、それも直したりします。
また、初級で進度が速いと、新たに教える文法や語彙が多くて、自由な文作成、会話練習の時間を取るのが難しくなりがちです。
学生は話したくてうずうずしているので、テキストの文型練習を骨にしつつ、教師が必要なドリル練習を練り、絞って行う。できているようなら、応用練習に持って行く。そして、発表の機会を作り、フィードバックし、ほめることが大切です。
もちろん、進度の速いクラスでも、レベル差は生じますから、まんべんなく当てて発話させたり、ペア練習の際、机間巡視を短くし、その分、教師が遅れ気味の学生とペアを組んで、練習してほめると、効果的です。
最後に、いちばん大切なのはテンポです。少し速めのスピードでテンポよく進めることで、多くの項目を手際よく入れていき、間延びさせないようにします。
ゆっくりペースのクラスとは、また違うスキルが求められます。