文型分析の切り口「~はずだ」2018年11月7日

新出文型を学生に教えるために、
まず、文型を分析し、学生が理解しやすい場面と例文をいくつか用意し、易しい日本語で機能を説明する。

例えば、初級文型の「~はずだ」。文法書などを見ると、
「確信をもった推量」と定義されています。でも、このまま話しても、初級の学生には理解しづらい。

また、『みんなの日本語』で考えると、それまでにも推量を意味する文型が出てきています。例えば、「日曜日は人が多いと思います。」「明日は晴れるでしょう。」「約束の時間に間に合わないかもしれません。」「今日は寒くなりそうです。」

「〇〇さんは今日、来るはずですよ。」を教えるとき、
使い分けを質問されるかもしれません。
そのためには、教師は自身で整理しておく必要があります。

どんなときによく使うのか、自然な場面と例文をたくさん自分で考えてみるのは、大きなヒントになります。

更に、ひとつの切り口として、「~はずだ」のように他にも「~はず」を使う文型を調べてみる方法があります。

「おかしいな。ここに携帯を置いたはずなんだけど。」
「彼がそんなことをするはずがない。」
「行くはずだったんだけど、急用が入ってしまって。」
「こんなはずじゃなかったんだけど…。」

上記の文型は初級では扱いませんし、「~はずだ」と同じ機能ではありませんが、文型の意味を調べ、例文を見ていくと、「~はずだ」の基本的な性質に気づくはずです。

…図らずも、ここで「~はずだ」を使ってしまいました。

このような分析の仕方は視野を広げてくれます。
他にも、同じような分析の仕方が可能な文型もあります。
N3~N1文法の本などを読むと、わかります。

文型分析のひとつの方法として、ご紹介しました。

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