伊坂幸太郎の『首折り男のための協奏曲』を読みました。短編集ですが、登場人物、ストーリーに繋がりがあります。しかし、中にはほとんど無関係な人物たちのストーリーも織り込まれているという、今まで読んだことがない伊坂幸太郎らしい独自の世界に引き込まれる小説です。
彼の作品の独特の世界観は今さら述べるまでもありませんが、今回、改めて気づいたのは、登場人物たちの会話です。
小説家は鋭く深い思考や、思想を、登場人物の内面を描写することで表現することが多いと思いますが、伊坂幸太郎は会話でもそれを表現します。「普通なら、こんな会話展開はないだろう。」という会話をごく自然に見せてしまうのがすごいなと、改めて感じさせられました。
他に、同様の小説家と言えば、山田詠美が浮かびます。
私は人と会話をすることが好きですが、相手によって、話題、話し方、話す量は変わってきますよね。あまり言葉を交わさなくても、互いに読み取れることもあります。
会話が噛み合わないまま、話し続けるのは、時に、苦痛を伴いますが、分かり合える人と会話を交わす時間は最高の癒しを与えてくれます。
人間に与えられた「言葉」。癒しにも、凶器にもなりますが、これは人間の最大の魅力だと思います。
子どもの頃の夢は小説家、漫画家(絵が下手であきらめました)、編集者でしたが、職種は違えど、言葉に関する仕事に就けたことに、日々、幸せを感じています。
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