学生に言われて、いちばんうれしい言葉 2018年12月2日

それは、「授業がわかりやすい」です。
「おもしろい」「楽しい」より、ずっとうれしいです。

それが私が目指している理想の教師像だからです。

「わかりやすい授業」をするためには、どうすればいいのか。それは、「教師が10勉強し、分析した文型や語彙を、学生に1教えること」だと思います。

教えるためには、自分がその文型や、語彙をどのような場面で、誰に、どんな気持ちで使っているか、考えてみる。専門書や、辞書、ネットで調べる。例文をネットで検索する。他の教師に相談してみる。類似文型、類義語を調べる。あらゆる手段を用います。

そのようにして得た知識を、どのように学生に提示すれば、わかりやすいのか。どこまで教えるのか。絞り込む作業が必要になります。

直接法は、日本語を日本語で理解させなければなりません。説明は簡潔に。わかりやすい場面と例文をたくさん用意する。類似文型は学生のレベルによって、また、テキストの構成により、あえて提示しない場合もあります。類義語も同様です。

新出文型導入→規範(説明)→練習と進むのが、初級から上級まで、一般的な教え方です。
規範でつまづくと、学生はそこでひっかかり、いくら練習をしても、それは「意味をなさない練習」になります。

教師が分析に時間をかけることは非常に大切です。
でも、それを教えすぎるのはある意味、教師の自己満足。
学生目線ではないのです。混乱を招くだけです。

いかにわかりやすく、簡潔に、提示できるか。
実は、ここに頭をひねり、時間を使います。

私も規範で、うまくいかなかった経験がたくさんあります。新人の頃は、分析が足りなくて答えられなかったり、中堅の頃は、説明しすぎて、わかりづらかったと反省したり。もちろん、今でも反省することがあります。

特に、中級以上は、学生のレベルや、テキストの構成をよく考え、自分の作成した教案を、一度、突き放して、
学生になったつもりで俯瞰する作業が必要だと思います。

「おもしろかった!」と言われたけれど、実は、きちんと機能が理解できていなかった…このようなことは起こりえるのです。

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