以前、海外におけるノンネイティブの日本語教師について、投稿しましたが、国内のノンネイティブの日本語教師について、思うことがあります。
今まで、在住外国人で、ネイティブレベルの方を何人も
見てきました。1から日本語を勉強した方々です。
日本語教師養成講座でも、ネイティブレベルの外国人受講者を教えたことがあります。
日本に住む同国人に、母語を使用しながら、日本語を教えている方も多いのではと思います。
しかし、日本語学校では、ノンネイティブの日本語教師がいるという話はほとんど聞いたことがありません。
私が知らないだけで、活躍されている方がいるのかもしれませんが。
以前、在住外国人に、日本語の会話練習のやり方を少し教えた経験があります。初級の会話テキストを使用した教え方です。その飲み込みの早さに驚きました。
彼らは自ら「外国語としての日本語」を1から学び、マスターしているのです。
「母語として獲得した日本語」を、「外国語としての日本語」として学び直す必要のあるネイティブの日本語教師より、客観的な視点を既に身につけているわけです。
加えて、母語の干渉も乗り越えてきています。
このような「人財」を、各種、日本語教育機関はなぜ生かさないのか、不思議です。
日本語教師の資格の見直しが取り沙汰されていますが、
ノンネイティブの場合は、もちろん、高い日本語力は必須条件として、現行の「日本語教師養成講座420時間」を修了すれば、日本語学校や、学校教育の外国由来の児童の教師として活躍できると思うのですが。
特に、学校教育では、外国由来の児童のために、通訳を配置する学校もあると聞きますが、通訳より、同国の日本語教師がいたら、どんなに心強いだろうかと思います。
もちろん、日本語学校にしろ、学校教育にしろ、ネイティブの教師と、ノンネイティブの教師の「役割分担」は必要になるのではと思います。
例えば、0レベルは、発音指導の入り口でもあるので、ネイティブのほうがいいと思います。
反対に、漢字圏のノンネイティブ教師であれば、同じ漢字圏の学習者に対し、日本で使用される漢字との相違点などを効果的に教えられるはずです。
その他、文法や、会話練習、日本事情など、ネイティブとノンネイティブの教師が連携することで、より深みのある教育が行えるのではないかと想像しています。
日本語教師不足解消の突破口にもなるのではないでしょうか。
もちろん、「ノンネイティブの日本語教師」が、やりがいのある仕事であること、働きやすい職場環境になるような体制作りは欠かせないと思います。