初級文型「~ために」でちょっと実験?2018年10月27日

『みんなの日本語』を使用している進度の速い初級クラスについて、以前、投稿しましたが、そのクラスでちょっと工夫してみました。

学生は予習をきちんとしてくるので、進度の速さにもついて来られますが、おしゃべりが大好きなクラス。

カリキュラムに従い、テキストを骨にドリルを絞り、応用練習の時間を捻出していましたが、それでも学生の顔には「もっとたくさん自由に話す練習がしたい!」と、書いてあるのが最近、気になっていました。

ただ、文型によっては、新しい活用形が出てきたり、ドリルにも時間をかける必要があったり、なかなか応用練習の時間を十分には取れなかったりします。

今回の指導項目は目的の「ために」。チャンスだと思いました。動詞の辞書形、名詞しか接続しないこと、機能の理解がしやすく、学生はすでに耳にしている文型であること。

但し、「ために」は既習文型の「ように」との使い分けがポイントになるので、その説明には時間をかけました。

その理解を確認してから、ドリルは「~ために」の前に接続する動詞、名詞の転換練習のみ行い、前件のみ指定し、後件を自由に作成させる、または、その逆を作成する自由度の高い練習にすぐに移行しました。学生のニーズに合わせたキューに絞りました。

動詞、名詞、人や団体につく名詞(恩恵の意味が入ります)と、項目ごとに行いました。

また、練習Cは使わず、使用頻度の高い応答練習を作成し、これも質問のみ指定し、答えは自由に作成させ、その答えに反応する文も自由に作らせました。

結果、自分の本当の文、うその文、おもしろく作った文などがたくさん出てきて、皆で笑ったり、突っ込み合ったりしたりしながら、たくさん発話する時間が取れました。
もちろん、非文が出たら、訂正は入れます。いい文は皆でほめます。

学校の方針で、このクラスは練習B、Cにこだわらず、授業をしていいことになったので、このような授業に挑戦できました。

ただ、自由度が高かったこともあり、最後に、シートを配布し、部分完成文を自分のことで、いくつか書かせ、その場で全員、個別にチェックし、フィードバックを行いました。口頭では言えていても、書かせると、ミスは出ますから。

これからも、文型に合わせて、いろいろ新しい試みをしていきたいと思います。

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