初級のテキストも対象者に合わせて、
たくさん出版されています。
シラバスもいろいろあります。
日本語学校で、いちばん使用されているのは、
構造シラバスの『みんなの日本語』ではないでしょうか。
各国語の翻訳版、教師マニュアル、
文型練習帳、活動集、聴解タスク、
読解、問題集、導入・イラスト集などもあり、至れり尽くせりですが。
これらに頼って教えるだけでは、教師として力はついていきません。
まず、カリキュラムの学習項目に着目します。
例えば、
3課の前半、ここ・そこ・あそこは(場所)です(か)。と、(場所・人・物)はどこですか。を、2コマ100分で教える
場合。
テキストの練習B→C、練習帳で確認。
これだけでは2コマもかからないし、
テキスト「を」教えるだけで、学生は
自習できます。
まず、この文型をマスターすると、何ができるようになるか?を、考えなければなりません。
「~はどこですか。」は、場面が浮かびやすいですよね。
でも、「ここは(場所)です。」はどんなときに誰が使うのか、「ここは(場所)ですか。」はどんなときに誰が質問するのか。
学生が使うリアルな場面を考え、導入につなげます。
そして、学生に、この文型を使うと、
できるようになることを場面でわからせます。
それから、練習に入ります。最後に、会話などの応用練習をして、目標を達成できるようにします。
テキストの練習問題ありきで教えるのではなく、まず、目標を考える。
そして、それが達成できるように、教案を組み立てていく。その中で、効果的に、テキストの練習や、必要なら練習帳、活動集、自作の会話練習などを入れていく。
これがテキスト「で」教えるという意味
です。
この教え方は日本語学校などでは、一般的な教え方だと思います。
私の講座では、「みんなの日本語」を使用し、最終的に、上記のような教案を
2コマ、書けるように、少しずつ積み上げて指導していきます。教案は10枚くらいになるはずです。
新出語彙の入れ方、文型の分析、そして、いちばん頭を使う目標に合わせた
場面の導入。
これらは自分で考えるもので、テキストにヒントはありますが、
最終的には授業全体がスムーズに流れていくように、
自分で組み立てていかなければならないのです。