会話の「こそあど」の難しさ 2018年12月12日

初級のテキストの初めに学習することの多い「こそあど」

例えば、「それは何ですか。」「これは〇〇です。」
「あれは病院です。」この用法は理解しやすいです。

ところが、会話の「こそあど」は中上級になっても、ミスが出やすいです。

基本的な使い方は、例えば…

A:私の会社に田中さんっていう人がいるんだけど、
  この人、3か国語、話せるんだよ。    
B:すごいね。その人、留学経験があるの?

C:今日、山田さんが新鮮な野菜をたくさんくれたの。 
  うちで作っているんだって。 
D:私ももらったことがある。あの人、優しいよね。

この人→話し手だけが知っている人
その人→聞き手が知らない人
あの人→話し手も聞き手も知っている人
   
「人」だけではなく、「もの」にも使いますし、「情報」などにも使います。「ここ」「こんな」…表現もいろいろです。また、上記の例以外の使い方もあります。

母語を日本語とする人間なら、自然に使いこなせますが、外国語として日本語を学んできた外国人にとっては難しい表現です。

テキストで教える場合もありますが、自由に会話文を作成させたときや、ショートスピーチをさせたときなど、ミスが出てきます。そのようなときに、全体にフィードバックを行うのが効果的だと思います。何度も繰り返し、直さないと、なかなか使いこなせるようにはなりません。

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