「日本語の揺れ」をどう教えるか 2018年11月3日

初級文法に「~すぎる」があります。
例えば、食べ過ぎた、飲みすぎた、甘すぎる、辛すぎる、簡単すぎる、複雑すぎる、子どもすぎる。

機能としては、「マイナス」の意味。
これを確認してから、練習します。

ところが、「おいしすぎる」「かわいすぎる」などの書き言葉を目にしたり、話しているのを耳にしたりすることが
あります。機能が全く違います。

使用しているのは特に若い世代に目立ちます。
初めて他人のブログで目にしたとき、驚き、違和感を覚えました。

ただ、言葉は生き物。時代とともに、変化していきます。
100年前の日本語と現代の日本語は同じではありません。
これは他の国々にも当てはまることでしょう。

はたして、この使い方は今後、定着するのか。
今はまだわからないと思います。日本語の文法書や、辞書を見ても、マイナスの使い方しか書かれていません。

学生に教えるときは、正しい機能を教えた上で、咀嚼できるレベルのクラスであれば、私はあえて紹介します。
すると、学生からも「聞いたことがある。」と声が出てきます。その上で、今後、定着するかどうか、わかりませんが、皆さんは外国人だから、正しい機能で使うようにしましょうと話します。

日本人の中には、私のように「おいしすぎる」に違和感を覚える人もいれば、覚えない人もいるでしょう。
また、日本人は話す相手との関係によって、無意識に言葉を使い分けることができますが、初級の外国人にとっては難しいです。

まだ揺れている日本語に関して、特に、初級の段階では使わないほうがいいと感じています。

❇︎その後、この使い方は雑誌などでも目にする機会が増え、「おもしろすぎる」など、心の中で呟いている自分に気づきました。

共起する語彙によって、違和感を覚えなくなってきたのかもしれないと感じています。

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