この言葉の中には、「且つ、既習項目の定着のいい学生」という言葉が潜んでいます。教師なら、このような思いがよぎったことは正直、あるのではないかと思います。
このような思いを「自分の思うとおりに進まなかった授業」に対し、ふと持つことはあると思いますが、
恒常的に持つようになると危険です。
新人教師ではなく、ある程度、教えるスキルが身についてきた中堅教師が陥りやすい傾向があると思います。
私も陥りかけた経験があります。
視点を変えなければなりません。客観的な視点、そして、教師自身に矢印を向けなければなりません。
自分が「学生」の立場だった時、いかなる時も真面目に授業を受けていたのか。何か悩みがあり、集中できなかったことはないのか。教師に不満があり、やる気をそがれたことはないのか。
学生の反応が悪い、定着が悪いと感じている時、教え方や、学生に対する接し方に問題があるのではないかと内省しなければなりません。教師として成長するチャンスです。
今まで、「全員、優秀でやる気に満ちあふれた学生」のクラスを何回も教えたことがあります。そのようなクラスはやりがいもありますし、鋭い質問も飛んでくるので、身が引き締まります。
全く反対のクラスを教えたことも何度もあります。
どうすれば学生を引きつけられるのか、寄り添えるのか、常に考え、試行錯誤を繰り返します。とても勉強になります。そして、少しでも学生が意欲的な姿勢を見せるようになると、本当にうれしいです。
「お金をいただいて働く」ということは、どんな仕事であれ、大変さはつきものです。その「大変さ」がなければいいなあと誰しも思うことはあると思いますが、その「大変さ」に対して、お金をいただいているのだと思います。
教師は教えるのが仕事です。教えるために、学生のやる気を引き出すのも仕事です。伸び悩んでいる学生に寄り添い、アドバイスをするのも仕事です。
「視点」を間違えると、学生には何も伝わらないのです。