「て形の歌」なぜ歌う? 2018年6月7日

初級前半の最初の山場は、動詞の活用です。

日本語教育では、国語文法と違う用語を使って、学生に教えます。

動詞は3グループに分けます。
1グループは五段活用、2グループは上一段、下一段活用、3グループはか行・さ行変格活用です。

グループごとに、活用のルールが異なりますが、中でも1グループの「て形」は複雑です。

書いて、泳いで、会って、読んで、
話して、行って…。

これをルールに従って、教えますが、学生は大変です。

でも、ここで挫折してしまうと、
ない形、た形、辞書形…と、次々と出てくる動詞の活用に対応できなくなるので、教師も必死に教えます。

まずは、動詞のグループ分けをしっかり練習し、て形の導入。ルールを説明し、ひたすら練習します。

私はて形のルールを説明し、ドリル練習や、書く練習を少ししてから、
「て形の歌」を紹介し、皆で歌います。

「て形の歌」は、1グループのて形のルールを、有名な歌の一部に当てはめた短い歌です。

調べると、2グループ、3グループまで入ったバージョンもあるようです。

歌もいくつか種類がありますが、私は「キラキラ星」を使っています。

実は、以前は「歌で覚えて効果があるのかな?」と、思って、やりませんでした。

でも、今の学校に入り、使っている先生が多いことを知り、私も歌うようになりました。

て形の導入の授業は、ひたすらて形の練習です。

難しいなあ、疲れたなあと、学生が思っている中盤に、歌を紹介して、
何度か一緒に歌います。

初めは上手に歌えず、皆で大笑い。練習していると、上手な学生が現れ、皆で感心する。緊張がほぐれて、楽しいひとときとなります。

実際に、歌でルールを覚えた学生がいるのか、確認したことはない
ので、不明ですが。

でも、歌がもたらす効果は実感します。

歌のあと、また、活用練習に戻りますが、学生はリフレッシュして、
また頑張って取り組みます。

「明日、歌のテストです!」と、
冗談で言ったら、学生も、冗談と
わかった上で、嫌だ~!と言っていました。

私も楽しいひとときでした。

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