初級前半の最初の山場は、動詞の活用です。
日本語教育では、国語文法と違う用語を使って、学生に教えます。
動詞は3グループに分けます。
1グループは五段活用、2グループは上一段、下一段活用、3グループはか行・さ行変格活用です。
グループごとに、活用のルールが異なりますが、中でも1グループの「て形」は複雑です。
書いて、泳いで、会って、読んで、
話して、行って…。
これをルールに従って、教えますが、学生は大変です。
でも、ここで挫折してしまうと、
ない形、た形、辞書形…と、次々と出てくる動詞の活用に対応できなくなるので、教師も必死に教えます。
まずは、動詞のグループ分けをしっかり練習し、て形の導入。ルールを説明し、ひたすら練習します。
私はて形のルールを説明し、ドリル練習や、書く練習を少ししてから、
「て形の歌」を紹介し、皆で歌います。
「て形の歌」は、1グループのて形のルールを、有名な歌の一部に当てはめた短い歌です。
調べると、2グループ、3グループまで入ったバージョンもあるようです。
歌もいくつか種類がありますが、私は「キラキラ星」を使っています。
実は、以前は「歌で覚えて効果があるのかな?」と、思って、やりませんでした。
でも、今の学校に入り、使っている先生が多いことを知り、私も歌うようになりました。
て形の導入の授業は、ひたすらて形の練習です。
難しいなあ、疲れたなあと、学生が思っている中盤に、歌を紹介して、
何度か一緒に歌います。
初めは上手に歌えず、皆で大笑い。練習していると、上手な学生が現れ、皆で感心する。緊張がほぐれて、楽しいひとときとなります。
実際に、歌でルールを覚えた学生がいるのか、確認したことはない
ので、不明ですが。
でも、歌がもたらす効果は実感します。
歌のあと、また、活用練習に戻りますが、学生はリフレッシュして、
また頑張って取り組みます。
「明日、歌のテストです!」と、
冗談で言ったら、学生も、冗談と
わかった上で、嫌だ~!と言っていました。
私も楽しいひとときでした。